HIVと献血

 2007年に献血した人のうち、エイズウイルス(HIV)陽性者と判明した人は102人と過去最多になったと、厚生労働省の血液事業部会で、日本赤十字社が厚生労働省に報告したことが報じられました。一方で、献血者数自体は減少しており、献血者数とその中のHIV感染者との割合は0.0002%、献血者10万人当たりに2人のHIV感染者がいるという計算になります。これまでで初めて2人台を記録したということになります。

 この結果から厚生労働省は、HIV検査目的の献血者が増えている可能性があるのではないか?と憂慮しています。血液製剤の安全性を保つため検査目的での献血を控えるよう呼び掛けいるものの、そういった本来の目的とはかけ離れた献血者がいることは非常に悲しい現実です。HIV検査の結果は献血者には原則通知していないということなので、まじめな気持ちで献血をされる方たちのためにも、受付時の問診にもあるようにHIV検査目的の献血はしないでほしいものです。

 昨年1年間に日本全国での献血件数は493万9548件。 このうちHIV検査で陽性と判明したのは計102件。1986年の調査開始以来最多を記録。

 実はHIV感染直後だと検査ではHIVウィルスを検出できないことがあるのです。(いわゆる潜伏期間のようのもの) そこで日本赤十字社では、献血血液の安全性のためいわゆる検査=「抗体検査」のほかにもっと精密な遺伝子検査を実施して血液の安全性を確認しているのです。 しかし、昨年は遺伝子検査でしか判明しなかった例が6件もあったとか・・・。(HIV抗体検出検査では陽性と判明しなかったが、次の遺伝子検査(ダブルチェック)でやっと引っかかったという状況)。 検査で陽性と判明した血液はすべて廃棄されているものの、このまま検査のために献血に臨むケースが増え続けてしまうと、最悪感染者の血液が検査をすり抜ける危険性が高まり、輸血や血液製剤によってHIV感染者が出てしまうことも現実に起こってしまうかもしれません。

 薬害エイズなんて聞きたくないですよね? 自分の家族がそうなったらどうだろう?ってわが身のことと思って、HIV検査目的の献血は絶対にしてはいけません。 もしもHIV検査をしたいのなら、無料でもちろん匿名で検査を受け付けてくれるところがあるので、そちらへ相談してみましょう。

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